ITニュース六時五分:東ロボくんより読解力が低い中高生って・・・

0605_20141112東大入試に合格することを目標にした『東ロボくん』プロジェクトの中心メンバー国立情報学研究所(NII)の新井教授が、「東ロボくんの性能を上げるよりも、中高生の読解力向上が直近の課題」と警鐘を鳴らしています。

東ロボくんについては、以前にも紹介しましたが、東大入試試験を解いて、しかもロボットが答案用紙にペンで答えを書くところまでやって合格しようとしていました。

しかし、人工知能の限界が見えてきて、プロジェクトをこのまま継続させるのがいいのかということになり、また、莫大な予算を使うことがいいのかということもあって、断念することになりました。

そんな話を聞くと、なんとなく残念なような気もしますが、プロジェクトの中心メンバーである新井先生は、それ以上にやらなければならないことがあると力説しています。

数学や物理などは得意とする東ロボくんですが、国語や英語は苦手です。特に読解が必要な問題については、答えがわからないのです。これは、人工知能が『文脈』や『意味』を理解していないということ。

しかし、そんな意味を理解していない東ロボくんですが、多くの高校生よりも高得点を取っている、いや、意味を理解しない人工知能よりも点数が取れない高校生がいるということが大きな問題です。

その危機感を感じた新井先生が実際に調べたことなのですが、例えば、こんな問題があります。

「仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている」という例文から「オセアニアに広がっているのは(   )である」という文の空欄にあてはまるものを選ぶ

よく読めば、答えは、キリスト教だというのは、簡単にわかります。

しかし、約3割の中高生が、この答えを間違ってしまうのです。

かなりショッキングな結果です。

また、人工知能が得意とする計算など数学の問題は、中高生も得意という結果に。

つまり、子供たちが人工知能に近づいているのです。となると、人工知能が人間の苦手とするところを補完するのではなく、人間と競争するようになってしまいます。いや、明らかに負けていくことになります。仕事が奪われるとかそんなレベルの問題ではなくなります。

新井先生も言っていますが、危機管理ではマニュアルが非常に重要な意味を持ちます。原子力発電所で電源喪失した場合、あるいは、大きな地震が来たときにどこに避難し、どのように過ごすべきなのかマニュアルに記載されています。

しかし、そのマニュアルを読んでも意味が理解できない人たちになっていたら・・・。

いくら危機管理とか叫んだところで、万全の準備をしたところで意味がなくなる、いや、もっときけんな状況を作り出す可能性だってあります。

いやはや、これ、教育がおかしな方向へ向かっている証拠ではないでしょうか?
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本日のニュース

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/21/news096.html

「AIの性能を上げている場合ではない」──東ロボくん開発者が危機感を募らせる、AIに勝てない中高生の読解力
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