ITニュース六時五分:米ベンチャーのセレクトが開発する商品選択エンジンは、楽しい世の中にするのか?

0605_20141112アメリカのベンチャー企業セレクトは、商品選択エンジンを開発し、多くの商品の中からお客がどのように選択するのかを解析するサービスを提供しています。リアルな店舗でのデータ解析も可能で、品揃えに追加すべき商品などを分析します。

アマゾンのようなオンラインショップでは、『この商品を買われたかたは、こちらも購入しています』といった推薦商品を表示します。そこには、過去の購入履歴から、同じ傾向にあるお客に対して、商品を提示しているのですが、これと同じようなことを、リアルの店舗でも行おうというのが、商品選択エンジンです。

マーケティングでは、伝説のように語られているのは、スーパーで紙オムツを買いに来たお客は、ビールも一緒に買って帰る傾向があり、紙オムツの隣に缶ビールを置くと、セットで売れるという話。実情は、子どもの紙オムツを買いにいくことになったお父さんが、ついでに缶ビールも買って帰るということだそうです。もっとも、紙オムツを口実に、ビールを買いたかっただけなのかもしれないのですが(笑)。また、実際にそのように陳列したとしても、売れ行きが大きく上がるのかというと、そんなことはありません。

このように、ある商品を選ぶときに、ついでに一緒に買う傾向のあるもの、ある商品を選ぶ価値観を持っている人が同じように購入しやすいものというのは、組み合わせが決まっているということが前提になっています。確かに、単品で売れているものばかりを並べたら、どれも飛ぶように売れるのか?というと、そんなことはありません。妖怪ウォッチの隣に、スマホの自撮り棒を並べても、両方が売れるとは考えにくいですよね。

商品選択エンジンは、あくまでも複数の商品から、どれを選ぶのか?という基準を分析するのであって、単品でどのように売れているのかを分析するのではありません。クチコミレビューなどで、星印で評価がありますが、あのような絶対的な評価ではなく、2つの商品が並んでいたら、どちらを選ぶのか?という判断を分析するのです。セレクトによると、星印のような評価は、一つの商品だけを見て、評価するので、その時の気分によって左右されてしまいます。嫌なことがあったあとだと、どうしても低い方につけてしまいがちです。逆に、るんるん気分のいいことがあると、いい方に評価してしまう傾向にあります。しかし、面白いことに、商品Aと商品Bを並べて、どちらがいいですか?と質問すると、あまり気分い左右されず、いいと思う方を選びます。あえて、嫌な方を選ぶということはないのです。それで、商品選択エンジンが出来上がったのです。

セレクトは、オンラインショップではなく、実際の店舗に、来店するお客さんの行動、たとえば、どの商品棚の前で長く立ち止まっていたのか、一度手に取って戻した商品はどれなのかといったことまで、分析しようとしています。それによって、複数の商品があった場合に、どれを選ぶのかという傾向を分析することができるように。まさに、『紙オムツとビールの関係』をITを活用して、しっかりと分析しようとしているのです。

その結果、店舗に並べてもあまり意味のない商品、逆に、今はなくても品揃えをすれば売れる商品などが分かってきます。お店側からすれば、売れる商品の品ぞろえになっていくので、不良在庫を抱えることがなくなります。お客さんからすれば、自分の好みの商品ばかりが並ぶので、嬉しいですよね。お互いにハッピーになれるということです。

が・・・・

個人的には、こういうのが、進みすぎるのは、どうなのかな?と思っています。そもそも、面白い、楽しい、ワクワクするというのは、感情のギャップがあるからこそ、起きるのです。いろいろ分析して、好みの商品ばかりあるというお店は、嬉しいのですが、驚きはあまりありません。たとえば、友達から、「この小説、めちゃくちゃ面白いから!」って言われて、本を貸してくれたとします。しかし、あまり興味のないジャンルの本、たとえば、あなたがSFや推理小説が好きだけど、友達が渡したのは、あまり興味のない学園恋愛小説だったとします。最初は、『あまり興味ないなぁ・・・。でも、読まずに返すのもなぁ・・・』って読み始めたら、意外と面白い!ってことだってあるでしょう。しかし、データ分析では、このようなことは、起きません。

こういう、今までの自分にはなかった傾向や興味などを引き出すことは、なかなか過去のデータ分析では見いだせないのです。どっちがいいのかは、難しいところですが、あまりデータばかりで予測されるてのはねぇ・・・(笑)

本日のニュースネタ

http://www.sankeibiz.jp/business/news/150721/bsj1507210500001-n1.htm

小売り実店舗向けに購買予測提供


  • このエントリーをはてなブックマークに追加