ITニュース六時五分:東芝、ソニー、日立がシーテック出展見送り。いろいろな意味で家電業界が変化。

0605_20141112東芝は、10月に開催される家電見本市「CEATEC JAPAN(シーテック ジャパン)2015」への出展を見送ることになりました。ソニーや日立製作所も参加しないことを決定しています。

シーテックは、2000年からスタートした家電見本市で、情報家電や高級家電が出てきて、テレビも大型化し、さらにビデオデッキからHDレコーダーへと変化してきた時代にはじまりました。家電メーカーが主軸になって、これからの生活を変えていく新しい家電を展示するということで、多くの来場者でにぎわうようになりました。かつては、私も、毎年、見に行っていたのですが、だんだん足が遠のくようになり、何年かは行っていません。

シーテックそのものの魅力というよりも、新たなコンセプトの家電が、今一つ出てこないことや、機能や性能はよくなっていても、新たなライフスタイルを提案できるようなものがあまり見受けられなくなったように思います。

3年前から日立が出展を取りやめ、ソニーも出展せず、そして、東芝も出展をしないということに。

日本の家電メーカは、中国や韓国に押されて、だんだん縮小していますよね。高級家電を出してきているのですが、しかし、ライフスタイルを大きく変えるような家電が登場しているようには感じません。IoTの流れにしても、個々の家電の性能はすばらしいのですが、それらをネットワークで接続したときに得られるあらたな価値を提供できるところには到達していません。

勝手な想像ですが、家電メーカーに、ネットワークの設計や製品コンセプトをつくりだせる人材が不足しているのではないでしょうか。

かつてビデオデッキからHDレコーダーに変化していったときに、ソフトウェアエンジニアが不足していたように・・・。

余談ですが、ビデオデッキを作っていたころは、メカトロニクスがメインのエンジニアが多く開発していました。そのエンジニアが現場から管理職になって、HDレコーダーが出てくると、部下にソフトウェアエンジニアが増えてきます。ところが上司は、ソフトウェア設計はやったことがないので、今一つ、部下のやっていることが理解できず、プロジェクト管理に苦労していると、当時、現場の人から聞いたことがありました。そりゃそうですよね。メカトロの場合は、モーターで動くものが見えていて、設計図面があって、動作が分かるものがありました。ところが、ソフトウェアになると、仕様書や設計書はあるものの、どこがどのように動くのかは、メカを見てきた人には、なかなかピンと来ないでしょう。ましてや、部下のソフトウェアエンジニアが、「9割ほどできてますよ」とか言われても、動くものはないですし、インターフェイス開発が終わっていなければ、操作すら分からない状態です。それでは、プロジェクト管理と言っても、何を管理しているのか、進捗助教がどれぐらいなのか、検討もつかなかったでしょう。

それと同じようなことが、家電業界で起きているのではないでしょうか。ソフトウェア開発が進むことで、個々の家電としての性能や機能は向上してきましたが、IoTとしての流れには乗り切れていません。ネットワーク家電とか、ホームサーバとか言われて、冷蔵庫にサーバを入れるといった話もありました。しかし、ネットワークの設計や、製品コンセプトをしっかりと設計できる人材不足、あるいは、上司がその辺に詳しい人がいないことなどから、今一つ、うまく行っていないように思います。

ビデオデッキからHDレコーダに変化したとき以上の大きな変化が求められる家電企業。どのように乗り越えていくのでしょうか。そんなことを考えさせられるニュースです。

本日のニュースネタ

http://www.sankeibiz.jp/business/news/150825/bsb1508250500001-n1.htm

東芝、シーテック出展見送り ソニー・日立も不参加 地盤沈下の懸念

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