インターネットの検索結果に対して削除する基準として、最高裁が判決を下しました。情報を社会に提供する自由より、プライバシーの保護が優先される場合には削除が認められるとしました。
これは、過去に事件を起こして略式起訴された男性が、今でも検索すると、当時のニュースなどが表示されるので、削除してほしいということから始まっています。
Googleに削除の仮処分を求めたのですが・・・
さいたま地方裁判所 「過去の逮捕歴を知人に知られ立ち直りを妨げられない利益が侵害される」として、削除を命じる
東京高等裁判所 判定が逆転し、申し立てを棄却
最高裁 プライバシーが優先される場合は、削除が認められる。しかし、この男性の場合は、知る権利が優先されるので、削除する必要はなし。
インターネットが出てきたことで問題になってえいるのが、『忘れられる権利』です。
莫大に情報量が増えているインターネットですが、膨大に増えても過去のデータが消え去ることが少なく、ずっと残っています。
それどころか、インターネット以前の情報も誰かがデジタル化してネットにアップしてしまえば、またたくまに拡散し、検索すれば出てくるようになります。
本人が忘れているようなことも、いつでも検索して出てきますし、本人が無くなった後でも、調べることが可能になっています。(しかも、厄介なことに、死人にはプライバシーなどないので、あっちこっちに勝手に使われることも・・・)
新聞や雑誌、本などは、物理的に接することがなければ、知ることはできないですし、そもそも、調べるためには手間も時間も、コストもかかります。
ところが、インターネットは、いつでもどこでも誰でも、瞬時に検索できてしまいます。
だからこそ、『忘れられる権利』について考えなければならないのです。
これはインターネットというよりも、コンピュータが出てきてから考えなけばならないことで、例えば、あなたの人生の出来事が記録され、データべ―スに入っているとしたら・・・。
子どものころのイタズラや、怒られたこと、悪さしたこと、大人になってからも酔っぱらって羽目を外したこともすべて調べることができるとしたら・・・。
プライバシーも何もないですし、いいことも、悪いことも、生涯、いや、死んでからも検索され続けます。
あなたの10世代後の子孫が面接で
「10世代前に、こんなことをしたご先祖さんがおられますよね。
ということは、あなたもその遺伝子を引き継いでいるのですから・・・」
みたいなことを言われるようになるって、どうでしょうかw
なかなか難しい問題です。
しかし、それはそれとして、今回の最高裁の判決で、プライバシーを優先する場合は削除すべきとしながらも、男性の希望はかなえられず、削除すべきではないとしました。
男性は、6年前に児童買春の疑いで逮捕され、罰金の略式命令を受けたということなのですが、このようなことは、最高裁としては、知る権利が優先されるとしたのです。
これの方が、大きいかも。つまりは、犯罪歴はネットで検索して出てくるのは知る権利であるとしたのですよね。そして、今回の削除を求めた男性は、永遠にロリコン犯罪者として世間から見られることになってしまったのです。ってことは、こんな裁判をおこしたばかりに、さらに検索され、自分が児童買春を行ったことを知られることになってっしまったのです(^^;
そう、今後、Googleに削除の仮処分を求める場合は、プライバシーが優先されると明らかでないと、逆に注目され、永遠にさらし者になる可能性が出てきたってことです・・・
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本日のニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170201/k10010860481000.html
プライバシー保護ならネットの情報削除も 最高裁が初の基準
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